画材: 色鉛筆4 (油性色鉛筆)

油性色鉛筆 / Oil based or wax based colored pencils
油性色鉛筆 / Oil based or wax based colored pencils

油性色鉛筆は様々メーカー各社がいろいろなものを出しているので選ぶのは難しいのですが、まずは試してみて自分にあったものを選ぶのが一番かと思います。

色鉛筆の場合、混色が難しいため、ある程度の色数を揃える必要があります。最初から60色以上の大きなセットを買うことも選択肢の一つですが、一般的には36色くらいのセットから始めるのを勧められることが多いようです。確かに36色くらいなら、欲しい色を買い足しながら他社のものを比較できたりできるので、合理的かと思います。

一方、レビューなどを参考に大きなセットを買って始めることも一つの手で、大きな買い物でリスクがありますが、メリットもあります。上達するにつれ、後々必要になってくる情報を体系的にわかりやすい形で得られることがそれかと思います。自分がどの色を最もよく使うのかとか、混色の具合、耐光性のテストなど、一元的にできてしまうのは、大きな時短ですし大きなメリットです。うまくいくなら絵を描くことだけに集中できる始めかたかと思います。

逆に12本くらいから初めて気に入ったメーカーを選んでいく方法もありで、私はそうして来たようです。大変な労力が要りますが、絵が好きなら苦にもならないかと思います。この選び方のメリットとしては素材や色鉛筆の個性などへの理解が深くなり、自分のオリジナルの組み合わせが初期の段階からできてくるので、これはこれで楽しい方法でもあります。

ファーバーカステル ポリクロモス 色鉛筆 / Faber-Castell Polychromos colored pencils

上の写真は油性色鉛筆で世界的に有名な製品の一つ、ファーバーカステル (Faber Castell) のポリクロモスですが、私はこれをメインに使うことが多いです。発色や色の乗りなどがとても良く、固めの芯で減りも遅めですが、重ね塗りや混色もしやすいという素晴らしい色鉛筆です。色鉛筆にはオイルベースとワックスベースのものがあるのですが (オイルとワックス成分の割合の違いらしい)、これはオイルベースの代表格かと思います。メーカーによる耐光性のテストがちゃんとされていて各色鉛筆に3段階で刻印されています。

色々試してきて、油性色鉛筆は ポリクロモス でいいかということに一旦なって、一度は120色のセットを買ってしまったほど良い色鉛筆です。(後日、他を使えなくなることが自分的に嫌で手放しましたが、、) 少し値段がはりますが、誰にでもお勧めできる色鉛筆です。

ホルベイン アーチスト 色鉛筆 / Holbein Artist Colored pencils
ホルベイン アーチスト 色鉛筆 / Holbein Artist Colored pencils

ホルベインのアーチスト色鉛筆も柔らかめの素晴らしい色鉛筆と思います。歴史のある画材メーカーならではの高品質な色鉛筆で、発色や耐光性などすごく研究されていて、まさに専門家用と呼ぶにふさわしい色鉛筆です。人物や自然のものなどを描いていると意外と必要になるグレートーンやパステル系の色も豊富に揃えているのもさすがだなと思います。これも耐光性のテストがされていて各色鉛筆に3段階で刻印されています。

日本のメーカーなので画材店などで手に入れやすくて、価格も輸入ものよりは抑えめです。品質的にホルベインはすでに世界的なメーカーですので、海外では結構高価に売られています。

公式サイトなどでワックスベースかオイルベースかの記載が見つけられなかったのですが、一般的には柔らかめの特徴からワックスベースといわれているようです。オイルとワックスの練り合わせた割合でどう呼ばれるからしいので、あまり呼びかた自体に意味はないかもしれません。ターペンタインなどの溶剤が使えたり使えなかったり、成分は各社違っているので、私は目安程度に思っています。 ホルベイン公式サイトパンフレットの英語表記には Oil Based とあります。

三菱 ユニカラー 色鉛筆 / Mitsubishi UNI colored pencils
三菱 ユニカラー 色鉛筆 / Mitsubishi UNI colored pencils

上の写真は三菱 ユニカラー 色鉛筆 です。あらかじめ言っておくと、私は好きで愛用しています。ただ結構くせの強い色鉛筆で、仕事に使うなら色々手順を踏んだ方が良いように思います。絵を描くことだけを考えると、厳選された素材が使われていて発色も鮮やかなユニカラーは良い選択だと思います。

芯は硬めでかなり精緻な描き込みに向いていて、透明感のある鮮やかな発色はあまり他には無いなという印象があります。反面、重ね塗りには向かなくて、少し薄めに色が出るので、私の場合は普通の鉛筆のように立てて、力を加えやすくして、線画的にというか、ハッチング、点描などを多用して使うようにしています。

硬くて重ね塗りに向かないというのは、私にとっては特にデメリットでもないので、描き方、使い所の工夫で対処できるのですが、私はそのまま仕事に使えないなと思う理由があります。耐光性の問題です。

ユニカラー は他の有名メーカーのようには耐光性のテストを公開していなくて、しかも耐光性の低いものがけっこう紛れているので、自分でテストを行って使えるものと使えないものを選り分けなくてはなりません。

ファーバーカステルやホルベインなどの有名ブランドのセットにも耐光性の低い色鉛筆は入っていますが、ちゃんと「星一つ」のように表示されていて、手に取った時点で使うかどうかすぐに判断できます。

私は三菱 ユニカラー の好きなので描き心地は好きなので、一年かそれ以上かけて耐光性のテストを自分で行いました。上の写真のものは実用十分と判断したものを撮影したもので、だいぶ省いた感じはします。ピンクや紫はほぼ無く、一部のオレンジや青も使わない方が良いと判断して省きました。上の写真のものは晴れて自分の制作に組み込んでいます。

街中でも良く売られていて比較的安価で手に入れやすく、作りがとても良い色鉛筆なので、これからも使って行こうと思っています。

他にもカランダッシュやダーウェント、スタビロなど試したい良いものがたくさんありますが、すべて試しているわけにもいかないので、単色でも比較的日本で手に入れやすい上の3種類を組み合わせて油性色鉛筆のセットにしています。

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画材: 色鉛筆3

様々な色鉛筆がある / There are a lot of different types colored pencils
様々な色鉛筆がある / There are a lot of different types colored pencils

色鉛筆にも様々な種類があって、よく使われるものを3つ挙げると 1.油性色鉛筆、2. 水可溶性色鉛筆(水彩色鉛筆)、3. パステル色鉛筆 になるかと思います。それぞれ性質が異なり、目的や趣向によってどれを使うか決めることになるのですが、簡単な決め方としては、、

1. 色鉛筆のみを使って絵を完成させる場合は油性色鉛筆

油性色鉛筆自体が完成された画材ですので、基本的に紙に描き終わった時点で何も処理をする必要がなく、そのままの状態で飾ったり保管できます。油性色鉛筆にしかでない質感や綺麗な光沢感もありますので、本格的な色鉛筆画といえばやはり油性色鉛筆になるかと思われます。まだ始めて間もない方や、子供の頃の色鉛筆の感じをそのままに使いたい方にも、油性色鉛筆はお勧めです。

また他の画材との融和性がないわけではないので、補助的に持っていても使いどころは多いです。

2. 水彩のような表現をもっと手軽につかいたい、水彩絵具などと併せて使いたい場合は水彩色鉛筆

水彩を始めたいけど絵の具やパレットを揃える前に試したい場合、色鉛筆数本と筆一本あれば雰囲気をつかめるので、そういう人には水彩色鉛筆はお勧めです。水彩とは言っても、色鉛筆としての比重を多くしたり少なくしたり調節できるので、とりあえず両方使える水彩色鉛筆を、と言う人も多いと思います。

どっちつかずというイメージは付いて回りますが、私は最も注目していて、実は大きな可能性を持った画材だなと思っています。

3. 緻密なパステル画に、ほとんど必要不可欠といえるパステル色鉛筆

パステル画用のパステルとほぼ同じ性質のパステル色鉛筆は、併せて使うのに最適で、細かい部分の描き込みや仕上げなどに使いやすいです。単体でも他の色鉛筆同様に使いやすく、パステルのように手や周りが汚れることがあまりないので、これを使うメリットは大きいです。他の色鉛筆より柔らかく混色などが容易で、総じて色が明るく鮮やかなのですが、紙への定着は弱いので、パステル用のフィクサチーフなどを使って画面に定着させる必要があります。

少し粗めの紙や和紙に木炭やチャコールなどと一緒に使っても面白いです。また大概のものは水で撫でると水彩色鉛筆のように流れるものが多いので幅広い表現が可能です。ほぼ顔料のみが主成分のものが多いので、他の画材との融和性は非常に高いです。

4. その他にもいろいろ

その他にも金属やガラスに描けて、プロの特殊な用途に使われているダーマトグラフ色鉛筆や、油絵に使われるような蜜蝋(ミツロウ)で練った色鉛筆など、いろいろな色鉛筆はあり、どれもとても面白いのですが、主だったものは上の3種かなと思います。

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画材: 色鉛筆2

色鉛筆画の練習 / Practice for colored pencils
色鉛筆画の練習 / Practice for colored pencils

色鉛筆は気軽に描き始められるので、日々の練習や、アイデアを描きためておくスケッチ、効果の実験や記録など、いろいろなことに便利です。

色鉛筆は絵の具のように、じかに色を混ぜることができないので、色を重ねて混ざったようにみせることになります。ですのでこういった地味な練習は結構大事かなと思ってやっています。

色鉛筆画の練習 / Practice for colored pencils
色鉛筆画の練習 / Practice for colored pencils

私の場合は、消費してしまいたい古いものや粗悪な色鉛筆を、混色やパターンの練習、その他、紙自体を捨てる前提の簡単な練習などで使い切るようにしています。

もちろん残しても使わなければ良いのですが、本番用の色鉛筆と混ざって使ってしまうと少し問題です。後述しますが、技術が上がって作品づくりなどを始めるにつれ、安価で粗悪な色鉛筆を利用するデメリットは大きくなっていきます。

色鉛筆画の練習 -  白鳥 / Practice for colored pencils - swan
色鉛筆画の練習 – 白鳥 / Practice for colored pencils – swan

上のものも、古くあまり良くない色鉛筆で、余っていた安価な画用紙に描いたものです。

このブログも再開したし、絵の練習も少し進み、ちょっとどんな感じにかけるのだろうと思って描き始めてしまいました。たいしたものではないのですが、2時間くらいはかけてしまったので、捨てるのには少し後悔が残ります。ただ、捨てなくても次期に問題は発生することになります。そのことについてはもう少し後に書ければと思います。。

ともかくここでは、色鉛筆はごく気軽に描き始められて、結構没頭できる、又は没頭してしまうことをお伝えしたいです。

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画材: 色鉛筆1

様々な種類の色鉛筆 / Assorted colored pencils
様々な種類の色鉛筆 / Assorted colored pencils

色鉛筆はとても手軽で扱いやすい画材です。特別な知識がなくても誰でも手にいれられて、管理も簡単、色鉛筆画は最も始めやすい絵画の一つだと思います。

ただ、画材としての色鉛筆の世界は意外にも奥深く、また他の技法に取り入れやすいので、ある程度の予備知識や経験を得ることは決して無駄ではないと思います。

デッサン鉛筆の代用品としての色鉛筆 / Colored pencil as substitute of graphite pencil

私自身が色鉛筆画を始めるきっかけになったのは、3〜4年前、子供の頃に使った色鉛筆を見かけて、捨てるなら最後まで使い切ってやろうと思い立ったことになります。

12色くらいが入っているセットで、最初はまだ混色しようと思いつくこともありませんでした。黒や茶の色鉛筆をコンテやチャコールのようにして、デッサンの練習に使い始めたことが、後々の沼にはまるきっかけになったわけです。

日本製の子供向けの色鉛筆などは品質が良く、これはいいなと思い、あっという間に黒や茶は無くなってしまいました。そうすると、12色セットの残りでデッサンに使えそうなのは、色の濃い青や紫、他に黄土色、オレンジなどで、それらを組み合わせて、それらしい雰囲気を得ようと思い試行錯誤しました。

色鉛筆の白は扱いが難しいのですが、茶色など濃い色の紙に書くことで良い雰囲気を作ってくれるし、うまく他の色に乗るならハイライト、または水彩の弱目のマスキングなどに使えることもわかりました。

黄や緑などは意外と使いどころに悩みましたが、補色の紫や赤と重ねてグレーを作ろうとしたり、ハッチングで効果を試してみたりと、意外に良い練習が行えたなと、振り返ると思います。

鉛筆は必ずこのくらいまで使う / I use pencils up to this level of .. stinginess..
鉛筆は必ずこのくらいまで使う / I use pencils up to this level of… stinginess..

私は異常にものを大事に使う癖があって、鉛筆などはこのくらいまで使います。休み休みでしたが、丸2年くらいでこの量です。逆に言うと使い切るまでなかなかに時間がかかるため、私は画材類は100均のものや、海外コピー品の安物は絶対に買わないようにしています。100均のものが頂き物やセットなどに紛れていると、げんなりしてしまいます。一応練習などで最後までつかう努力はします、捨てるのは次世代に対する罪悪ですので、、、

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